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生まれつき歯周病になりやすいってあるの?スリランカスタディ [歯周病]

歯周病は人によって進行に大きな差があります。

1970年から15年にかけて行われた調査には驚くべき結果が!!
スリランカ中部2箇所の紅茶畑で働く労働者の男性480名を対象にして行われた。
この地域の人たちは、歯を磨く習慣もなく、もちろん歯医者もありません。つまり、予防も治療もない状態で歯周病をほおっておくとどうなるか?を15年に渡り追跡した。

そして1986年スリランカスタディとして発表されたのである

そこには、驚くべき結果が!!

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1、全然悪くならない人々 11%

 歯磨きをしないんだから、口の中はプラークや歯石が多くみられた。にもかかわらず歯周病の進行はほとんどなかった。

2、ゆっくりと進行する人々 81%

 大半の人々は歯周病がゆっくりと進行
 一定のペースでアタッチメントロスや喪失歯を伴う

3、急速に進行する人々 8%

 残りの8%の人たちは、急激なペースで歯周病を進行させ20代のうちに歯が抜け始め、歯周病の進行は止まらず、40代で全ての歯を失ってしまう人もいました。

つまり、同じ環境で生活しているにもかかわらず歯周炎の重症度や範囲に大きな差が見られた。歯周病の発現や病態を説明するのに細菌性プラークや生活習慣だけでは十分ではなく、患者固有の感受性が大きく関わっていることが明確になったと言える。

生まれつき歯周病になりやすい人は、8%
そもそも歯を磨かないでいると10人に1人は、40代で歯を喪失し始める可能性があることがはっきりしたのです!!!
幸いなことに、我々は文化的にいうと歯を磨く習慣があります。
多少歯を磨いていれば、40代で歯を失うことはあまりありませんが、中には非常に反応が早く歯周組織が破壊されている方も存在します。

歯周病の進行は、どんな研究においても1人の口の中または集団の中で一様に進行するのではないことがわかってきた。進行が早く進む場所と人によってはゆっくり遅く進む場所がわかってきたのである。
1980年代後半になって、歯周病が「部位特異的」に進行する病気であることがわかってきた。
 大部分の歯周病は、ゆっくり緩慢に進むため急激に進行する場所がある人も平均値を取ると必ずしもその集団や個人の進行状況を示すことができないのである。つまり、場所によっては進行しないところもあれば、時間とともに進行する場所、変化の大きさがまちまちであり、色々な進行の仕方が1人の口の中に存在している。
 治療を行なっていく上で、個々の検査結果をもとに状態を把握しないと歯周病の実態は把握することができないため注意が必要である。

 ここ最近の研究では、進行の仕方が個人や部位によって違い、進行に影響するリスクの程度が歯周病進行に大きく関係しているのではないかと考えられるようになってきた。

まとめると

歯周病の進行には個人差がある(疫学調査により)
しかし、80%がゆっくり進み11%がほとんど進まない
ところが、調査の平均値に埋もれ一人一人の口の中で進みやすい部位と進みにくい部位が異なることが不明瞭である

そのためにも

個人個人のPPD ATL、リスク因子の把握をし その人の歯周病の病態をしっかりと把握する必要性がある

急速に進むタイプの人でも治療により進行は緩やかにする事が可能


足立区竹ノ塚 ソアビル歯科医院https://www.soar-dc.com
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